がん保険

がん患者の10年生存率

国立がん研究センターが、がん患者の10年生存率を公表しています。

全体で59.4%

全国各地にある拠点病院などで診断された24万人近くの患者の大規模なデータに基づいた10年生存率を国立がん研究センターが初めてまとめました。

10年生存率は全体で59.4%で、種類や進行度によっては5年後以降にも生存率が下がるがんもあり、より長期に経過観察を行う必要があるとしています。

がんの種類・進行度によって

全体の10年生存率が一番高いのは前立腺がんです。ステージ1、ステージ2,ステージ3までが生存率100%、ステージ4で44.7%。全体では、98.7%と非常に高い生存率となっています。

続いて女性の乳がんです。ステージ1で99.1%、ステージ2で90.4%、ステージ3で68.3%、ステージ4で16.0%。全体では、87.5%となっています。

生存率の高い順だと、子宮内膜がん、子宮頸がん、大腸がん、胃がん、膀胱がんと続きます。

反対に生存率が低いのは、すい臓がん、小細胞肺がん、管内胆管がん、肝細胞がんとなっています。すい臓がんの全体での10年生存率は6.5%、小細胞肺がん9.1%と低くなっています。

いずれもがん以外による死亡の影響を取り除いた「相対生存率」で示しています。

未来想像でき意義あるデータ

今も”がん=死”というイメージを抱く人がいる中で、10年生存率の詳細なデータが出されることは、がん患者の未来を想像出来るという意味で意義があるということです。その一方で、患者としては10年生存率に一喜一憂してしまうが、発表されたデータは過去の治療の結果だし、国内の患者全体の数字であって必ずしも自分自身に当てはまるものではないという意見もあります。

今、がん患者は当たり前のように働き続けられるようになっています。社会としてどうサポートしていくかなどについて考えるきっかけになればいいですね。

治療が難しいがんや希少がんについても治療方法の研究が進み、これからも生存率が改善し続けることを願います。

若い世代のがんとまとめ

全国861の医療機関で、2018年と2019年にがんと診断されたおよそ114万件のケースについて国立がん研究センターが分析したところ、若い世代では胃がんなど一部のがんで患者数は少ないものの、高齢の世代よりも進行した状態でがんが見つかった割合が高いことがわかりました。

年齢が若いと、診療の現場ではがんだと疑わない傾向があるかもしれません。

新型コロナウイルスが広がり、感染を恐れて受診を控えるケースが増えていると指摘されている今、体調不良などがある場合は受診を控えずに、相談してもらうことが必要です。

早期発見、早期治療で10年生存率がもっと高く示されることを期待したいですね。

多田 明美
妻として、3人の子供の母親としての経験を活かしながら、皆様にとっての人生での大切な場面を一緒に考えていけたらと思います。 誰かに言われるままではなく、しっかりと考えるお手伝いをさせていただきます。
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