春になり自転車に乗る機会も増える傾向の中で自転車での事故の対応の問い合わせも増えています。全国の自治体で義務化が広がる自転車事故にも対応する「個人賠償責任保険」について紹介します。
どんな時が補償の対象か?
日常生活の中の幅広い場面で対応していますが、保険で補償される例と補償されない例を出してみます。
□ 補償される例
・自転車運転中に他人に接触しケガを負わせた
・買い物中に商品を落として壊してしまった
・飼い犬が他人に噛み付いてしまいケガをさせた
・子供がキャッチボールをしていて誤って他人の家の窓ガラスを割ってしまった
・ベランダから鉢植えが落下して通行人にケガを負わせた
などなど事故により他人の体や物に損害を与えて賠償義務を背負った時に賠償金を担保します。
現在、全国の自治体で広がりを見せる自転車保険の義務化にも対応できています。
■ 補償されない例
・業務遂行中での事故 (事業用の賠償責任保険が対象)
・自動車や船、飛行機を運転中の事故(自動車保険などで対応)
・他人ではなく同居の親族対する賠償事故
・殴り合いのケンカや犯罪行為での損害
・他人から借りたものを壊した場合の損害(受託品賠償責任保険で対象の場合有り)
保険の対象者の範囲は?
① 本人
② ・①の配偶者
③ ・①と②の生計を共にする同居親族
④ ・①と②の別居の未婚の子(県外で親の仕送りで生活する大学生などが例)
ひとつの契約でこれだけ広い範囲で家族全員が保険の対象となり得ます。
また一人一人契約しても重複となり掛金を支払う効果が無いともいえます。
実際にあった高額賠償例
個人の日常生活中での偶然な事故でも驚くほどの賠償義務が発生することがあります。
自転車での事故では、2003年に死亡事故で約6780万円の賠償命令、2013年には小学生の児童の運転する自転車事故で児童の親に9520万円の賠償命令が出ました。
スポーツ中ではスキー中の他人への追突から約3000万円、またマンションの水道からの漏水が原因で階下の他人の家財などに損害を与え約1300万円の賠償が出ています。
個人賠償責任保険を契約する際の保険金額は無制限をお勧めします。過去の事例を見ても最低1億円は付保したいところです。
当事者同士の直接の交渉は難しい
いざ、賠償問題になった後は金額が多い少ないに関わらず、何に対してどれだけ支払うのが妥当かを当事者だけで話し合いで解決するのが難しいと思います。
専門的な知識が必要な場合も多いでしょうし、当人同士で感情的になってしまいこじれてしまったり、2次的な損害問題に発展する恐れも出てきます。
契約する場合は保険会社などが示談交渉してくれるか確認するようにしましょう。
また賠償保険は賠償義務の発生に対応しているので、例え当人同士で責任の所在と支払額を決めても、法的な賠償義務が認められない場合は保険金の支払の対象外になります。
話し合いは、示談交渉サービスに相談するようにしましょう。
まとめ
加入のポイント
・一家に一契約でまかなえる。
・示談交渉サービス付きを確認する。
・保険金額は出来る限り無制限で。
保険の加入への意識では、例えば車を買ったから自動車保険。家を購入したから火災保険、などのように対象となるものが無いだけに契約するきっかけが持ちにくい場合もあるかもしれません。
しかし日常生活の中にも何が起こるか解らないので一家に1契約はしっかり付けておきたいです。付け方としては火災保険や自動車保険、また傷害保険などに「個人賠償責任特約」として付けるケースを多く見ます。
掛け金も比較的低廉で掛けやすいですが、その分家の中の複数の保険契約にそれぞれ付いていたりして重複する場合も見受けられます。
一度、家の中の各保険を確認してみるのも良いかもしれませんね。