損害保険

自賠責保険

自賠責保険は強制保険とも呼ばれ、車の所有者に加入が義務付けられている保険です。

自賠責保険とは

自動車保険の基礎になる保険が「自賠責保険」です。これは自動車損害賠償保障法に基づき、交通事故の被害者救済を主な目的として昭和30年に制定されました。補償の対象は自動車事故によって他人の身体に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合です。よって、他人の財物に対して損害を与えてしまった場合の物損事故やご自身の身体や車に対しての補償はもちろん対象外となります。

自賠責保険の補償内容

自賠責保険の補償内容は上記でも説明しましたとおり、対人のみとなります。具体的な内容は下記のとおりです。

  1. 他人の傷害による損害(被害者1名につき最高120万円が限度)

    治療関係費・休業損害・慰謝料など

  2. 他人の後遺障害による損害(被害者1名につき4000万円が限度)

    逸失利益・慰謝料など

  3. 他人の死亡による損害(被害者1名につき3000万円が限度)

    葬儀費・逸失利益・慰謝料(本人・遺族)など

自賠責保険に加入していない場合の罰則

自賠責保険に加入していない(期限切れ等)自動車を公道などで運転した場合は、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」になります。同時に道路交通法の規定に従って、違反点数6点が付加され、ただちに免許停止処分となります。また、自賠責保険に加入していても自賠責保険証明書を携帯せずに運転した場合は「30万円以下の罰金」となりますので注意が必要です。

時効

自賠責保険の保険金請求の時効は3年です。具体的には、加害者請求の場合は被害者に損害保険金をお支払いになった日の翌日から、被害者請求の場合は、通常事故があった日の翌日から3年で時効となります。治療が長引いたり、事故の話し合いが進まないなどで3年以内に保険金の請求ができそうにない場合は、事前に加入されている保険会社にご相談してみて下さい。

まとめ

自賠責保険は自動車に関していえば、車検を通す際に自賠責保険証明書が必要になりますので、期限切れなどはある程度防止することができます。しかし、車検がない原付バイクや自動二輪車などは、意外と気づかずに期限切れになっているケースが見受けられます。

また任意の自動車保険に加入している方で、万一の際は対人賠償で補償されるので自賠責保険を軽視している方もおられます。例えば、他人を車でひいてケガをさせてしまった場合で、自賠責保険未加入、任意の自動車保険の対人賠償無制限に加入していたとします。この場合の保険金支払いはどうなるかといいますと、あくまで任意保険は120万円を超える補償について賠償となります。よって120万円までの治療費や慰謝料などは自賠責の範囲、この場合はご自身の自己負担となってしまいます。

 

自賠責保険に関しては正しい知識を身につけ、必ず加入し期限切れをしないようしっかり管理しましょう。

塚田 友弘
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