先日立て続けに「年金には税金が掛かるの?」というご質問を受けました。意外と(?)知られていないようなのでお答えします。
[ 目次 ]
年金の種類と所得税
所得税とは、1年間に得た収入からその収入を得るためにかかった「必要経費」を差し引いた、いわゆる「利益」の部分に対して課税される税金です。
所得税では所得を10種類に分類しており、年金は「雑所得」に区分され課税の対象としています。
所得の計算の際、前述の「必要経費」は公的年金等かそれ以外かで異なります。
①公的年金等における必要経費…
⇒「公的年金等控除額」
②公的年金等以外(私的年金)における必要経費…
⇒受け取る年金額に対応する「保険料」
下図にて年金の種類とどの部分が課税対象となるのかをご確認ください。
公的年金等における雑所得の金額の計算
(雑所得の金額)=(公的年金等の収入金額)-(公的年金等控除額)
公的年金等以外(私的年金)における雑所得の金額の計算
(雑所得の金額)=(総収入金額)-(必要経費の金額)
納付税額の計算
所得税の確定申告は必要か?
ここまで、年金にも所得税がかかることはご理解頂けたと思いますが、確定申告は必要なのでしょうか?
公的年金の場合、ねんきん定期便等に記載されている年金額は税金が引かれる前の額面です。実際には税額が源泉徴収されて振り込まれます。
また公的年金等以外の個人年金保険等の場合、雑所得が年間25万円を超えると所得税が源泉徴収されます。
所得税は納税者本人が税額を計算・申告・納税することが原則ですが、
①公的年金等の収入金額が400万円以下
②その他の所得が20万円以下
の場合は確定申告しなくてもよいことになっています。
確定申告といえば税金を「納める」というイメージがありますが、上記の源泉徴収は税額を仮計算したものであり、場合によっては申告することにより税金が「戻る」こともあります。
機会があれば一度税理士さんや税務署に相談するなど、税に対する理解を深めておくことも大切です。