最近の医療保険やがん保険では、支払事由に在宅医療を受けられたときも該当する会社も増えてきました。今の時代に知っておきたい在宅医療とは?
在宅医療のイメージ
在宅医療のイメージの中に、がん患者さんの終末期療養があると思います。病院での治療後、自宅で家族と過ごす時間をとるといったイメージです。
その他に、脳卒中や臓器不全、関節疾患などをもつ要介護の人や、高齢になって身体が弱くなった人たちも受けています。
いまや国民の4人に1人が65歳以上という世界一の高齢社会の日本では、老いや介護は誰にとっても他人事ではありません。そんな中で知ってもらいたいのが、在宅医療という医療のかたちです。
高齢社会での在宅医療
日本は、世界的にみても医療水準の高い国です。
全国各地に地域の拠点となる総合病院があり、それより身近な診療所やクリニックが地域ごとにあります。そのため、昔から私たちは体調不良やケガをした時など、何かあったら病院へ行くことが当たり前になっています。今までは、このスタイルがうまく機能してきました。
しかし、日本の社会全体が高齢化してきたことで、これまでの医療システムではカバーできない、さまざまな問題が表面化し始めています。
高齢化によっての問題点
第一は、若い世代の人にとっては想像しにくいことですが、年を取って足腰が衰えたり、痛みがあったりすると、外出が難しくなります。
車の運転免許証を返納していたり、交通の便が不便な地域に住んでいたりすればなおさらです。
そうすると、子供など家族に頼るしかないのですが、子供達には迷惑をかけたくないという気持ちをもつ高齢者の方も多くいます。そういった理由で、病院へ出向いて受診することが身体的にも心理的にも大きな負担になるのです。
第二には、高齢になると臓器の衰えが進み、生活習慣病などの慢性疾患を複数抱える人も多くなります。病院での短期間の治療で完治するということはあまりありません。継続的に治療を続けながら、悪化しないように維持する医療が中心になります。毎日の療養生活をどう過ごしていくかに関心が高まります。
在宅医療は、こうした高齢者の状況にマッチした最適の医療の形だといえます。
まとめ
高齢者にとって、治す医療から支える医療に変わっていく選択肢を知ることも大切です。病院医療と在宅医療のどちらが優れているかということではなく、それぞれの得意分野を理解して、使い分ければいいと思います。
残念ながら、在宅医療の普及率において、地域による差はまだまだ大きいです。それでも、患者さん本人やご家族が希望すれば、高い確率で在宅医療を受けられる時代になってきています。
