一過性脳虚血発作とは、一時的に脳の一部の血流が悪くなることで、運動機能や感覚の異常などの症状が現れ、24時間以内、通常は数分から数十分でその症状が消えるものをいいます。
TIAの症状かも!?
★顔の片側の表情が変えられない、顔が垂れる、しびれる
★片側の手足に力が入らなくなる、しびれる
★片方の目が見えづらい、見えなくなる
★ろれつが回らなくなる、うまくしゃべれなくなる、言葉が出なくなる
このような症状は、TIAでなくても出現する場合がありますが、心配な場合は、自己判断せず病院を受診することをお勧めします。
笑顔を作れるか、腕を水平に上げた状態を維持できるか、言いたいことを言葉にできるか・・・などを確認するようにしましょう。これらの症状が一つでもあった場合は、すぐに受診しましょう。
TIAは早い段階で治療することで、その後の脳梗塞の発症リスクを軽減できることがわかっています。TIAは脳梗塞が起こる前の警告と捉えた方がよいでしょう。
TIAが発生した人が必ず脳梗塞を発症するわけではありません。発生しない人の方が多いです。しかし、約2割の人が3ヶ月以内に脳梗塞になり、その約半数が48時間以内に発症しているそうです。症状がすぐ消えたからといって放置せず注意しましょう。
TIAが疑われたら
従来はCTを使った検査が広く行われていましたが、現在はMRIを用いた拡散強調画像により微小な脳梗塞を発見することができるようになりました。また、脳の動脈の状態を検査するMRAという検査を行うことで、TIAの原因となる脳の動脈硬化の程度を確認することができます。(血管が狭くなっていないか、詰まっていないかなど)
TIAを予防するために・・・脳卒中予防十か条
その1.手始めに高血圧から治しましょう
その2.糖尿病放っておいたら悔い残る
その3.不整脈見つかり次第すぐ受診
その4.予防にはタバコをやめる意志を持て
その5.アルコール控えめは薬過ぎれば毒
その6.高すぎるコレステロールも見逃すな
その7.お食事の塩分・脂肪控えめに
その8.体力にあった運動続けよう
その9.万病の引き金になる太り過ぎ
その10.脳卒中起きたらすぐに病院へ!
まとめ
TIAの症状は短時間ですぐに元通りになり「気のせい」と思われがちです。また、冬場に発症する病気と思われていると思います。しかし、実は脱水などが引き金となることもあるため、暑さや湿気で汗をかき、体内が水分不足になりやすいこれからの時期も注意が必要です。
60歳以降から増える病気ではありますが、20代、30代の若さで発症する人もいます。最近でも、若い方に人気のある俳優の清原翔さんが20代で「脳出血」になったというニュースがあったばかりです。
小さな症状にも気をつけて、早い段階で見つけ治療することが大切ですね。
合わせて、もし脳卒中などになってしまった場合のリスクも考えておきましょう。医療保険の特約に三大疾病保険等が付加されているかなど、確認しておくとよいのではないでしょうか。