損害保険料率算出機構(損保料率機構)は、損害保険料率算出団体に関する法律(料団法)に基づいて設立された団体(非営利の民間の法人)であり、損害保険会社を会員とする組織です。
損保料率機構の主な業務内容
損保料率機構は、「損害保険業の健全な発達と保険契約者等の利益の保護」という社会的な使命を果たすため主に3つの業務に取り組んでいます。
①参考純率および基準料率の算出・提供
②自賠責保険(共済)の損害調査
③データーバンク
参考純率および基準料率の算出・提供
国民生活に密着した損害保険については、社会・公共的な観点から、公正な保険料率の算出を通じて安定的な保険の提供が確保される必要があります。このため、損保料率機構では、会員等から大量のデーターを収集し、次の参考純率および基準料率を算出し、会員に提供しています。
・自賠責保険(基準料率)・自動車保険(参考純率)
・火災保険 (参考純率)・地震保険 (基準料率)
・傷害保険など(参考純率)
--- 保険料率とは ---
保険料率とは、損害保険における保険金額(支払われる保険金の上限金額、契約金額)に対する保険料(契約者が負担する金銭)の割合を言います。保険料率は、将来の保険金支払いに充てる純保険料率と、損害保険会社の経費や代理店手数料等に充てる付加保険料率で構成されます。
--- 参考純率とは ---
参考純率とは、料率算出団体が算出する純保険料率のことです。会員は、自社の保険料率を算出する際の基礎として、参考純率を使用することができます。付加保険料率については、会員が独自に算出します。
--- 基準料率 ---
基準料率は、料率算出団体が算出する保険料率のことです。会員は、自社の保険料率として、損保料率機構が算出した基準料率を使用することができ、現在、全ての会員が基準料率を使用しています。
・ 自賠責保険および地震保険は、公共性が極めて高い社会政策的な側面を持つ保険であることから、自賠法や地震保険法で補償内容が定められており、また、基準料率付加保険料に損害保険会社の利潤は織り込まれていません。
自賠責保険の損害調査
自賠責保険(共済)とは、自賠法に基づき自動車の運行による人身事故の被害者を救済するために、すべての自動車について契約を義務付けられている強制保険(共済)です。自賠責保険(共済)は、社会政策的な側面を持つため、被害者救済の観点から、公正で適正な保険金(共済金)の支払いが迅速に行われる必要があります。このため、損保料率機構では、全国に自賠責損害調査事務所を設置して自賠責保険(共済)の損害調査を行っています。これらの調査結果は自賠責保険の基準料率算出に際しても重要な基礎資料として活用されています。
・請求者(加害者もしくは被害者)
↓ 自賠責保険(共済)への請求書類を提出。↑支払額を決定して請求者に支払。
・損害保険会社(共済組合)
↓ 請求書類に不備がないか確認のうえ、送付します。↑調査結果の報告。
・損保料率機構(自賠責損害調査事務所)
請求書類に基づいて、事故発生の状況、支払いの的確性、自賠責保険(共済)の対象となる事故かどうか、また傷害と事故の間に因果関係があるかどうか、および発生した損害の額等を公正かつ中立的な立場で調査を行います。
データーバンク
損保料率機構では、長年にわたる料率算出業務、自賠責保険(共済)の損害調査を通じて、会員等から収集した各種保険に関する大量のデーターや専門性の高いノウハウを蓄積しています。
これらのデーターやノウハウをもとに、統計の作成や各種の調査・研究を行い、会員等に提供を行うほか、刊行物の作成・提供物を通じて、保険料率等に関する知識の普及に努めています。