10月に火災保険の改定が行われます。その内容の一つにこれまで全国一律であった火災保険の水災料率の細分化がありました。
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水災リスクとは
火災保険の自然災害のリスクの一つに「水災リスク」があります。
この水災リスクは、
・河川の氾濫などによる「外水氾濫」のリスク
・集中豪雨などで下水道等の処理が追いづかず、水があふれたことによる「内水氾濫」のリスク
・集中豪雨などによる「土砂災害」のリスク
などに分けられます。
火災保険では、これらの損害が将来起こるリスクを別々に見込んだ上で、水災リスクとして一つにまとめています。
水災料率とは
保険料を計算するための基になる数値を「料率」といいます。
「水災料率」は、火災保険料を計算するにあたって、水災リスクを保険料に織り込むためのものです。
台風(風災)や雪災などの料率は、地域ごとに差を設けています。
一方で、水災料率はこれまで地域ごとのデータが不十分であったことなどから、地域ごとに差を設けず、全国一律となっていました。
水災料率の細分化
水災による損害が増加し、火災保険料も値上げが続く中、以下のような視点から、水災料率の見直しが行われました。
①地域間の水災リスクの違いによる保険料の公平化を図る必要があります。
②ハザードマップなど、保険契約者が得られる水災のリスク情報が充実していく一方で、自分のリスクは低いと判断した人が、保険料節約の目的で自分の火災保険から水災の補償を外す傾向にあるため、今後の水災保険料の値上げに繋がることで水災補償をつけられない人が出てしまう可能性があります。
このような状況を踏まえて、全国一律であった水災料率を細分化されました。
細分化の内容
細分化する単位は「市区町村別」となります。
区分数は保険料が最も安いグループである「1等地」から最も高いグループである「5等地」までの5区分となります。
地域によって料率を細分化する場合には、リスクの近い地域どうしをグループ化して、グループ単位のリスクで保険料に差を設けるのが一般的な方法です。
これにより、保険料の計算がシンプルになり保険会社のコストも抑えられるといったメリットがあります。今回の水災料率の細分化でも同様の方法をとっています。
まとめ
気候の変動等により思わぬ水害にみまわれることが増えています。ハザードマップ等では水災のリスクが低い地域でも水害のリスクが心配な場合、10月からの火災保険の改定により従来の保険料よりも安く水災の補償に加入できる場合があります。
*火災保険の改定時期は保険会社によって異なります。
自分の家のある地域が何等地に該当するか、お気軽にお問合せ下さい。