日本では季節ごとに気温が変化し、体への影響も変わります。健康に関する注意点も季節ごとに変わりますが、冬に特に気を付けたいことは血圧の急上昇です。
冬に血圧が上がりやすい原因
冬は以下の原因により、急激な血圧上昇によるトラブルが起こりやすいと言われています。
●寒暖差
寒さを感じると、体温を保つために血管が収縮して血圧が上昇します。暖かい場所から寒い場所へ移動する時などは、寒暖差によって血圧が急激に上昇します。その後、血圧が乱高下を繰り返して心臓や血管に負担がかかることで起こるトラブルがヒートショックです。
●肥満
肥満の方は高血圧になりやすいです。冬の寒さで外に出かける機会が極端に減ると、家に中でじっと過ごす機会が増えます。これは運動不足の原因であり、肥満と高血圧を招く原因にもなります。
●食生活の乱れ
冬は、塩分や脂肪分の多い食事を食べる機会が増えやすいです。運動する機会が減っているのに摂取カロリー量や塩分量が増えることになるので、高血圧のリスクが高まり、急激な血圧上昇も起こりやすくなります。
高血圧と冬の血圧上昇の予防対策
診断基準では、収縮期血圧(最高血圧)140mmHg以上、または拡張期血圧(最低血圧)90mmHg以上が高血圧とみなされます(医療施設での計測値)。
高血圧が続くと、心筋梗塞、心不全、脳血管疾患、腎不全などの命に関わる病気の発症リスクが上がります。また、高血圧の方は血圧が急上昇しやすく、ヒートショックのリスクも高いです。冬の間は、以下のことを特に気を付けましょう。
●入浴時
・最高血圧が180mmHg以上、または最低血圧が110mmHg以上の時は入浴を控える
・入浴時は脱衣所と浴室を暖めて、寒暖差を小さくする
・入浴前、入浴直後は飲酒をしない
・入浴前にコップ一杯の水を飲む
・熱いお湯は急激な血圧上昇を招くので、湯温は38℃~40℃に設定する
・湯船につかる時間は10分程度まで。長風呂は控える
・高血圧の方、心臓病の方、高齢者の入浴時は、家族で声を掛け合う
●外出時
・防寒着やマフラーなどで、急な冷えから体を守る
・血圧が高めの方は、早朝の運動を避ける
●食事
・腹八分目を心がける
・脂っぽい食品、甘いものを控える
・塩分は控えめにする
・お酒は適量を守る
●体調管理・感染対策
・食事のバランスと生活リズムを整える
・手洗いとうがいの徹底
・加湿器などで部屋の乾燥を防ぐ
●その他
・起床時にコップ一杯の水を飲む
・早朝、夜間は厚着などをして冷えから体を守る
まとめ
冬の血圧上昇を防ぐには、寒暖差を小さくすることはもちろん、感染症対策などで体調不良を防ぐことも大切です。
食事のバランスを考え、塩分や脂っこい食事は控えめにして心疾患や脳血管疾患など、生活習慣病のリスクを下げましょう。
また生活のリズムを整え冬の寒さを乗り切りましょう。