2020年4月、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を受けてから、がん検診はどう変わったのでしょうか。
がん検診受診状況
多くの自治体ががん検診を中止・延期したことで、がん検診受診者数が大幅に減少しました。公益財団法人日本対がん協会等による調査では、7都道府県に対する緊急事態宣言期間中のの2020年4月、5月にがん検診受診者が対前年の同月比で8~9割減となったといいます。
これを受けて、厚生労働省が自治体の感染状況を踏まえて制度趣旨に沿った適切ながん検診の実施を通達したことで、一時期の大幅減は解消しました。
それでも感染予防の観点から、集団検診の実施が困難となったこともあり、2020年の5つのがん検診(胃、肺、大腸、乳、子宮頸)の受診者は、対前年比30.5%の大幅減となりました。
がん死亡率の上昇の可能性
日本対がん協会等は「新型コロナウイルス感染症の流行がなければ発見できたがんが9%あったと推測される」と公表しています。特に早期がんの診断数が減少していたことから、将来的な進行がん発見の増加、がん死亡率の上昇の可能性も指摘されています。
がん検診の重要性
がん検診については、2021年4月に再び厚生労働省から、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指標」に基づいた検診間隔でがん検診を実施することが望ましく、がん検診は「不要不急の外出」にはあたらないものと考えられるとの通達が出されました。
がん検診の受診控えは、がんの発見の遅れにつながります。各種検診を行う施設では、日本対がん協会等8団体による「健康診断実施時における新型コロナウイルス感染症対策について」をもとに十分な感染対策がとられています。受診時には基本の感染対策を行ったうえで定期的にがん検診を受け、がんの早期発見に努めることが大切です。
まとめ
がんの早期発見には、一人ひとりのリテラシー向上も欠かせません。日本のがんの最新情報や現状を理解しましょう。
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