今日は相続と生命保険の関係についてお伝えします。
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皆さんは相続税について考えた事がありますか?
「ウチはサラリーマン家庭だし、大した財産も無いから関係無いよね」と思っていたところ、実際に相続が発生すると多額の相続税が掛かることに…なんていうケースも見受けられます。
かつては1年間に亡くなられる方の内相続税が掛かる割合は約4%でしたが、平成27年の税制改正以降は約8%へと倍増しています。これは課税に係る「基礎控除」が引き下げられたことにより、それまでは対象とならなかった方にも範囲が広がったためです。
相続税がかかるケースとは?
相続税には「基礎控除」というものがあります。遺産の総額から基礎控除額を差し引いた金額に対して相続税がかかってきます。よって…
遺産総額<基礎控除額=相続税はかからない
遺産総額>基礎控除額=相続税がかかってくる(例外有り) となります。
では、この「基礎控除」はどのように算定されるかというと…
基礎控除額=3.000万円+600万円×法定相続人の数 になります。
例えば夫婦+子2人の場合、夫の法定相続人は配偶者(妻)と子2人の計3人となります。その場合…
基礎控除額=3.000万円+600万円×3人(法定相続人)=4.800万円 です。
<事例> 家族構成=夫・妻・子2人
■保有資産
自宅 1.500万円(土地1.000万円/建物500万円)
有価証券 1.000万円(株式等)
現預金 3.500万円(退職金2.000万円/定期預金1.000万円)
合計 6.000万円(遺産総額)
■課税対象
6.000万円-4.800万円(基礎控除額)=1.200万円(課税対象資産)
■法定相続分
配偶者 1.200万円×1/2=600万円 ×10%=60万円
子供A 1.200万円×1/4=300万円 ×10%=30万円
子供B 1.200万円×1/4=300万円 ×10%=30万円
配偶者については取得した財産額について法定相続分若しくは1億6千万円までのいずれか多い方に対応する税額控除があります。よって納税額は…
配偶者=0円・子供A=30万円・子供B=30万円
合計60万円
となります。
生命保険が相続対策に役に立つ?
生命保険の本質的な役割は、家族を経済的なリスクから守ることにあります。その生命保険が、相続にどのように役立つのでしょうか?
①税務上のメリットを活用する
預貯金は相続財産として全てが相続税の課税対象となるのに対して、生命保険の死亡保険金には一定の「非課税枠」があります。(相続税法第12条)
生命保険金の非課税枠=500万円×法定相続人の数
事例のご家族の場合…500万円×3人(法定相続人数)=1.500万円が非課税枠となります。
前述の事例に当てはめてみると…
6.000万円-4.800万円=1.200万円(課税対象)
1.200万円-1.500万円(非課税枠)=0円
となり、相続税がかからなくなります。
②お金に“名前”をつけて残す?
現金・有価証券等は遺産分割協議の対象となりますが、死亡保険金は民法上の相続財産に該当せず受取人固有の財産として遺産分割協議の対象外となります。
そのため、受取人を…
配偶者 500万円
子供A 500万円
子供B 500万円
と指定して円滑な相続に役立てることもできます。
③年齢が高くなり…今からでも保険に入れるの?
相続対策をご検討される方はそれなりのご年齢の方が多いと思います。子供も独立し家族の経済的リスク管理のために加入していた死亡保険は満期を迎えたり、既に不要となり解約されているケースもあるでしょう。
相続対策に生命保険が有効なのはわかったけど、年齢も上がり新たに保険加入などできるのだろうか?とお考えの方も多いかと思います。そこで役立つのが「一時払終身保険」です。
例えば500万円の現預金を「保険料」として納付し、死亡時には500万円の「死亡保険金」として遺族が受け取るというものです。
この一時払保険料=死亡保険金額の商品は死亡保障が大きく増加する訳ではないので身体状況の告知が不要です。(※一部死亡保険金が増加するため告知が必要な商品もあります)
こういった商品を利用して、大切な財産を次の世代へ受け継いでいくこともできるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本日お伝えしたいことをまとめると…
・相続税って意外と掛かる人がいる
・生命保険には非課税枠がある
・受取人(誰に・いくら渡す)を決められる
この3点になります。
最後にご紹介した「一時払終身保険」には、単にお金の名目が替わるだけではなく、死亡保険金が増加し納税原資の確保に寄与してくれるものもあり、お一人お一人に合った商品選定が必要になると思います。
是非保険のプロである私たちにご相談ください‼