生命保険はどんな時に役に立つのでしょうか?今日は後編として2つの「備え」についてお伝えします。
[ 目次 ]
死亡時に備える(前編)
病気やけがに備える(前編)
就業不能や介護状態に備える
就業不能への備え
病気やけがで入院して仕事を休んだり、障害状態となった場合、どのように収入を確保すればよいのでしょうか?
サラリーマンが業務外の病気やケガで療養することになった場合、健康保険からは「傷病手当金」の支給を受けることができます。
また障害や病気により生活や仕事に支障をきたす状態になったときは「障害年金」を受給することもできます。
しかし…以下のようなデータがあります。
①35.3万円(全世帯1か月あたりの平均収入)
出典:厚生労働省「平成30年国民生活基礎調査ー世帯収入」中央値より
②10.2万円(公的保障1か月あたりの平均収入)
出典:厚生労働省「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」障害年金より
単純に差し引くと、1か月あたり25.1万円の収入源となります。
この不足分を補う保障として「就業不能保険」があります。
介護状態への備え
日本は世界有数の長寿大国で、高齢者の人口も増加傾向にあります。それに伴い介護が必要な高齢者も増えています。
若年でも大病や不慮の事故等により介護が必要になるケースもありますが、現在の公的介護保険制度は基本的に65歳以上の高齢者を対象としており、若年者が要介護の認定を受けるためにには所定の疾病が原因になっているなど、サービスを受けるための条件が厳しくなっています。
第1号被保険者=65歳以上
※要介護状態になった原因を問わず公的介護保険サービスを利用することが可能
第2号被保険者=40~64歳
※所定の疾病が原因の要介護状態に限りサービスの利用可
40歳未満=公的介護保険に加入すること自体ができない
この介護が必要な場合の備えとして民間の「介護保険」があります。介護が必要になったときに一時金で受け取るタイプや、年金として継続的に受け取れるタイプなどがあります。
貯蓄と長生きに備える
「教育・住宅・老後」に必要となる資金は多額となり、「人生の三大資金」とも言われています。
「住宅」は建てる・買う時期を選べますが、「教育」と「老後」は時期を選ぶことができません。反対に時期が決まっているということは計画的に準備することもしやすいといえるのではないでしょうか?
教育資金の準備
子どもの進学時期は決まっているので、いつ資金が必要になるかはわかります。
ただし「公立か私立か」や「文系か理系か」、また大学等では「地元か遠方か」等々により、必要となる資金には差があります。
お子さんが小さいうちに教育資金準備を検討される親御さんは多いのですが、親としてどのような進路に進んで欲しいか…など、お子さんの将来像を思い描いてみることも大切ではないでしょうか?
教育資金準備の代表的なものに「学資保険」があります。
お金の積み立てだけではなく、親に万が一があった場合でも満期時には資金を受け取れる等のメリットがあります。
老後資金の準備
老後の生活資金も早くから計画的に準備可能な資金です。そのベースになるものが「公的年金」です。
原則誕生月に届く「ねんきん定期便」などで、将来どの程度公的年金を受け取ることができるのかを確認しましょう。
こんなデータがあります…
■老後に必要な生活費
・生活費約26.5万円-実収入約22.3万円=約4.2万円の不足
■「ゆとりある」老後に必要な生活費
・生活費約36.1万円-実収入約22.3万円=約13.8万円の不足
※高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)
出典:総務省統計局 平成30年度「家計調査」
出典:生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」
この不足額をカバーするためには、早い段階から老後資金の準備を進めておく必要があります。
その準備に役立つ保険として「養老保険」や「個人年金保険」、また「終身保険」を利用するケースがあります。
いずれも貯蓄性のある保険ですが商品により運用性の違いやリスクがあったりしますので、商品は慎重に選択する必要があります。
まとめ
今回は前編・後編の2回にわたり生命保険にできることをお伝えしてきましたが、いずれも私たちの暮らしに密接に関係してくることばかりですね。
生命保険には家族の未来を守る大きな役割があります。まずはライフプランを立て、その実現のために必要な保障を検討し、安心して生活していける基礎を作っていきましょう。