会社の退職時やidecoの一時金を受け取る際に関わる控除を簡単に説明します。
退職所得とは
退職所得とは、退職により一時的に受け取る給与や一時恩給等これらの性質を有する給与を意味します。
退職金の受け取り方は、「一括で受け取る方法」、「年金として分割で受け取る方法」、「その両方を組み合わせる方法」の3パターンが基本です。
受取方法によって控除の種類が変わり、一括で受け取る際は退職所得控除が適用になります。分割して受け取る際は公的年金等控除が適用になります。
一括で受け取る際の退職所得控除の計算
一括で受け取る際の退職所得控除については勤続年数によって控除額が変わります。具体的な計算式は下記の通りです。
・勤続年数が20年以下の場合
40万円×勤続年数(最低80万円)
・勤続年数が20年を超える場合
800万円+70万円×(勤続年数-20年)
*勤続年数の1年未満は切り上げ
退職所得の金額=(収入金額-退職所得控除額)×2分の1×税率
iDeCoの場合、上記の収入金額は老齢給付金に、勤続年数は加入期間となります。
退職所得控除の5年ルールとは
退職所得控除の5年ルールとは、退職金を受け取る前年以前の4年以内にiDeCoの老齢給付金を受け取りしていた場合、それらの勤続年数(加入年数)の重複期間を除外して退職所得控除を計算するというものです。
退職所得の退職金とiDeCoの関係
退職金とiDeCoの受け取り時期によって、税金の納税金額が変わる可能性があります。また受け取る順番によっても退職所得控除の課税ルールが異なるため注意が必要です。
受け取りのパターンは下記の3パターン
- 退職金とiDeCoを同時に受け取る場合
- 退職金を先に受け取る場合
- iDeCoを先に受け取る場合
退職所得の金額にもよりますが、この3パターンで退職所得控除のルールを十分理解した上で、ご自身にあった受け取り時期を検討し計画的に受け取ることをおすすめします。