社会保障制度

障害年金について

もし働けない状態になってしまったら、今までの生活を同じように送るのは困難になってしまいます。その際は公的年金の障害年金を受給できるかも。

障害年金とは

障害年金とは、病気やケガなどによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に支給される公的年金です。

基本的には、障害基礎年金(国民年金加入)と障害厚生年金(厚生年金加入)に分けられます。どちらが適用されるかは、その病気や障害で初めて医療機関に受診された初診日に、どの年金の種類に加入していたかによって決定されます。

原則初診日から1年6ヶ月後が障害認定日となり、その後障害の状態を審査した上障害認定されると、以後偶数月の15日に2か月分(年6回)まとめて振込されることになります。支給額に関しては障害の状態や家族構成などによって支給額が変わります。

また障害年金は非課税のため、老齢年金のように所得税や住民税を控除されることはありません。

 

障害基礎年金の主な特徴

・国民年金加入中の方(自営業者、学生など)や20歳前に障害になった方が対象

・障害等級の1級、2級に該当の場合に受給できる

障害厚生年金の主な特徴

・厚生年金保険加入中の方(会社員)が対象

・障害等級の1級、2級、3級に該当の場合に受給できる

・障害等級に該当しない場合でも「障害手当金」という一時金が受給できる

・一定の要件を満たせば「配偶者加給年金」も合わせて受給できる

 

障害等級の概要と一例

障害等級が支給される「障害の程度」については、「国民年金法施行令」および「厚生年金保険法施行令」によって障害等級1級~3級が定められています。

尚、身体障害者手帳とは連動性がありませんので、仮に身体障害者手帳で3級となっていても障害等級は適用されません。まずは確認のため、それぞれの窓口でご相談ください。

障害等級 1級

他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできない。

入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られる。

<一例>

眼の障害 ・・・両眼の視力の合計が0.04以下のもの

上肢の障害・・・両上肢の機能に著しい障害を有するもの

下肢の障害・・・両下肢を足関節以上で欠くもの

 

障害等級 2級

必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活が極めて困難で、労働によって収入を得ることができない。

入院や在宅で、活動の範囲が病院内や家屋内に限られる。

<一例>

眼の障害  ・・・両眼の視力の合計が0.05以上0.08以下のもの

上肢の障害・・・一上肢の機能に著しい障害を有するもの

下肢の障害・・・一下肢を足関節以上で欠くもの

 

障害等級 3級

労働が著しい制限を受けるか、労働に制限を加えることが必要とする状態。

日常生活にはほとんど支障はないが、労働については制限がある。

入院や在宅で、活動の範囲が病院内や家屋内に限られる。

<一例>

眼の障害  ・・・両眼の視力の合計が0.1以下に減じたもの

上肢の障害・・・一上肢の3大関節のうち2関節の用を廃したもの

下肢の障害・・・一下肢3大関節のうち2関節の用を廃したもの

 

 

 

           ※政府広報オンライン「暮らしに役立つ情報」より抜粋

           ※日本年金機構「障害認定基準」より抜粋

障害年金の受給目安額(年額) 2019年4月時点

上記でも記載しましたが、障害年金の年金額は加入していた年金や障害の程度、配偶者の有無や子供の人数などによって異なります。

また障害厚生年金の年金額は、厚生年金加入期間中の標準報酬額と加入期間(報酬比例)で算出されます。

自営業者等

・障害1級 ・・・ 975,125円 + 子の加算額

・障害2級 ・・・ 780,100円 + 子の加算額

会社員・公務員等

・障害1級 ・・・ 975,125円 + 子の加算額

          報酬比例の年金額 × 1.25 + 配偶者の加給年金額

・障害2級 ・・・ 780,100円 + 子の加算額

          報酬比例の年金額 + 配偶者の加給年金額

・障害3級 ・・・ 報酬比例の年金額

          (585,100円に満たない場合は585,100円)

・障害手当金 ・・・ 報酬比例の年金額 × 2

 (一時金)     (1,170,200円に満たない場合は1,1170,200円)

まとめ

生活保障の準備として、万が一の死亡時や入院時の備えは準備できていると答える方は多いですが、働けない状態時の備えとして準備できている方は、まだまだ少ないのが現状です。

障害状態は生活費の自助努力が不可欠なものになりますので、この社会保険制度を十分理解した上でご家庭の生活を見つめ直し、不足している部分は貯蓄や保険などを利用して備えることをおすすめします。

 

塚田 友弘
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